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体の時計は少し長い。夜の余白は、朝を固定すると使える

この記事でわかること

  • 体の中の時計は、24時間ぴったりではない
  • 夜の「まだいける」は、ほんの数十分の余白
  • 起きる時間・光・朝ごはんを動かすと、その余白は壊れる

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1日がもっと長ければいいのに、と思う夜、ありますよね。深夜0時なのに仕事が残っていて、「1日28時間なら足りるのに」って画面の前で思ったことがある人、多いんじゃないでしょうか。じつは体の中の時計、24時間ぴったりじゃないんです。ただし、何時間も増やせる話じゃない。夜の「あと少し」を、壊さない使い方の話です。

体の中の時計は、24時間ぴったりじゃない

 

体の中には時計があります。朝になると自然と目が覚めて、夜になると眠くなる、あれです。地球の自転に合わせて、ぴったり24時間で回っていると思われがちなんですが、じつはちょっと違います。

光を完全に遮った部屋で何日も過ごしてもらうと、その時計がどれくらいの周期で回るかが見えてきます。平均すると、24.2時間くらい。人によってばらつきがあって、24時間より短い人もいれば、長い人もいます。

 

体の中の時計は、24時間ちょうどではなく、平均で少し長い。

だから放っておくと、針は少しずつ後ろへズレていきます。毎晩、ほんの少しだけ「今日はまだ終わっていない」側に傾いている、と言ってもいいかもしれません。

そのズレは、夜の小さな余白になる

 

この「少し長い」という性質、悪者にされがちなんですが、見方を変えると面白いんです。体は毎日、ほんの少しだけ「今日はもう少し起きていたい」という方向に傾いています。

普段、私たちがこのズレに気づかないのは、朝の光と生活のリズムが、毎日その時計を24時間の位置に引き戻しているからです。光を浴びるタイミング、起きる時間、ごはんを食べる時間。こういう合図が、針を毎朝リセットしています。

 

逆に言うと、その合図さえ守っておけば、体が持っている「少し長い」部分は、その日の夜だけこっそり借りて使えます。深夜0時にまだやれる、という感覚は、意志の強さの問題じゃなくて、体の時計がまだ「今日」を終わらせていないだけかもしれません。

ただし、借りた分は翌朝に返す必要があります。返し方は、朝の決まりを動かさないことです。

朝の3つを動かさないと、余白は使える

 

光をまったく当てず、時計もカレンダーも見えない部屋で、好きなタイミングでごはんを食べてもらうと、8日もすると寝る時間も起きる時間も、少しずつ後ろへズレていきました。時計が「少し長い」性質のまま、自由に走り出した状態です。

ところが、ごはんを食べる時間だけを毎日同じ時刻に固定すると、様子が変わります。体の内側のリズムは多少ズレても、眠る時間と起きる時間は、ほとんどズレませんでした。食事のタイミングは、行動のリズムをその場に留めておく、かなり強い合図なんです。

 

起きる時刻・朝の光・食事の時刻の3つを、毎日同じにしておく。

これが、体の時計が流されないための目印です。夜にちょっと粘っても、翌朝の光とごはんで、元の位置に引き戻せます。

  1. 朝起きる時刻と、朝の光を浴びるタイミングは動かさない
  2. 朝ごはんの時刻も、同じ時刻に固定する
  3. 夜、体が「まだいける」と感じる時間帯だけを、作業や趣味の猶予として使う
深夜0時にすぐ閉じる代わりに、「あと少し」を体の性質として使ってから閉じる、という選び方ができます。
朝の3つを動かさないと、余白は使える

何時間も借りようとすると、壊れる

 

気をつけたいのは、このズレが「1日24.2時間」レベルの、ほんの十数分から数十分の話だということです。1日28時間を作る、みたいに数時間ぶん夜更かしを続けると、話が変わります。

時計を人工的に大きく前や後ろへずらすと、もともと周期が長い人ほど、ズレの幅が大きくなり、狙った方向とは逆に動いてしまうことがあります。9時間分をまとめて前倒ししようとしたら、かえって後ろへズレてしまった人もいました。

 

一気に大きくずらそうとすると、体の時計は思った方向と逆に動くことがあります。

使っていいのは、毎日ちょっとずつ眠っている数十分です。何時間もまとめて借りることではありません。夜遅くまでやれる日があってもいい。でも、朝の起きる時間と光とごはんだけは動かさない。それが、体の時計を敵に回さないための境界線です。

1日を28時間にする魔法はありません。朝の起きる時間と光とごはんだけは動かさない。そうすると、夜の「あと少し」は、借金じゃなく、使ってよかった時間になります。

※ 体の中の時計の長さや、時間をずらしたときの反応には個人差があります。ここで出した数字は平均的な傾向で、誰にでも同じ幅の余白が使えるわけではありません。

出典: Journal of biological rhythms · https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28452285/
Scientific reports · https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25670162/
American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology · https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35470708/

※医学的な診断・治療に代わるものではなく、効果には個人差があります。