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気分が天気に左右されるのはなぜか

気分が天気に左右されるのはなぜか

この記事でわかること

  • 耳の奥が気圧の変化を感じ取っているかもしれない話
  • 片頭痛や乗り物酔いに弱い人ほど敏感になりやすい理由
  • 調子が落ちる日にできる、刺激を減らす一手

⏱ 読了 約6分 / 🔬 根拠の信頼度: 中

低気圧が近づく前の日、なんとなく頭が重くて、電車の揺れとか周りの音がいつもより辛い。そんな帰り道、ありますよね。気合が足りないとか、気にしすぎとか、そういう話じゃなさそうです。耳の奥にある小さな器官が、空気の重さの変化を先に感じ取っているかもしれないんです。

低気圧が近づく前日って、なんだか調子が悪いなと思うことがあります。頭が重い、電車の揺れが気持ち悪い、隣の人の話し声がいつもより耳に刺さる。これ、天気のせいにするのはずるい気がして、つい「今日は自分がだらけてるだけかも」と思ってしまいがちです。

でも、耳の奥にある小さな器官が、気圧の変化そのものを拾っている可能性があるという話があります。気分が沈むとか頭が重いとかいう前に、体の奥のセンサーが先に反応しているとしたら、それはもう気合とか根性の話ではなくなってきます。

耳の奥にある”気圧計”という仮説

 

耳の奥には、体のバランスを感じ取るための部分があります。ここには、傾きや回転を感じるセンサーと、それを脳に伝える神経の集まりが詰まっています。この神経の集まりは前庭神経節(ぜんていしんけいせつ)と呼ばれています。

マウスを使った実験で、台風や低気圧が近づくときくらいの気圧の下がり方(だいたい20ヘクトパスカル)をわざと作って、この神経がどう動くかを調べたものがあります。すると、前庭神経節の中でも下側の部分にある神経細胞が、気圧が下がったときにはっきり反応していました。一方、体の回転を与えたときに反応するのは、上側の部分の神経細胞でした。

 

気圧の変化とグラグラする感覚は、耳の奥では別の神経が担当しているかもしれない。

ということです。つまり乗り物酔いのセンサーと、気圧のセンサーが、すぐ近くにあるけれど別物として動いている可能性があるんです。

 

これはマウスでの話なので、人間の耳の中でも同じことが起きているとまだ言い切れるわけではありません。ただ、耳の奥に「気圧を感じる仕組みがあってもおかしくない」という土台ができたのは、なんだか納得がいく話です。

片頭痛持ちが天気の変化を先に感じる理由

 

片頭痛が出やすい人とか、乗り物酔いしやすい人って、天気が崩れる前に不調を感じることが多い、という話をよく聞きます。これも、耳の奥のセンサーがもともと敏感に働いている人がいる、という考え方と重ねると腑に落ちやすいです。

気圧のセンサーとバランスのセンサーがすぐ近くにあるなら、片方が敏感な人はもう片方も反応しやすい、ということがあってもおかしくありません。乗り物に弱い人が天気にも弱い、というのは、たまたま似た性質じゃなくて、同じ場所が絡んでいるのかもしれないんです。

 

「気にしすぎ」じゃなくて「感覚が過敏になっている日」だと捉え直してみる。のは、けっこう楽になる考え方だと思います。頭が重いのを気圧のせいにするのは、逃げじゃなくて、体の仕組みに合った説明かもしれません。

片頭痛持ちが天気の変化を先に感じる理由

感覚が過敏な日にできる、刺激を減らす工夫

 

気圧に反応しやすい体だとしたら、その日は他の刺激にも反応しやすくなっていると考えて、外から入ってくる情報を減らす方向で動くのが理にかなっています。頭を強くしようとするより、周りをやわらかくするイメージです。

  1. 電車や人混みの音がきつい日は、耳をふさぐものを一つ持っておく。イヤホンでなくてもいい、耳栓でも十分です。
  2. 光がまぶしく感じる日は、帰り道だけでも眩しい方向を避けて歩く、サングラスをかけるなど、視界に入る量を減らす。
  3. 人の多い場所を通る時間をずらせるなら、少しだけ早めに出て、混雑のピークを外す。

これをやれば頭が重いのが治るとは言えません。

ただ、感覚が過敏になっている日は、入ってくる刺激の総量を減らしておくと、しんどさが積み重なりにくくなります。

 

体をリラックスさせる小さな動きも合わせやすいです。座れるなら深呼吸を数回するだけでもいいし、肩の力を抜いて姿勢を緩めるだけでも違います。心拍が落ち着くと、揺れや音への感じ方も少し変わってきます。

大事なのは、天気のせいにして終わらせず、その日だけ「刺激を減らす日」に切り替えることです。

気分が天気に左右されるのは、気持ちの弱さじゃなくて、耳の奥のセンサーが空気の重さの変化を拾っているからかもしれません。頭が重い日は、無理に元気を出そうとするより、光や音や人混みを一つずつ減らしてみる。そのくらいの小さな工夫で、しんどさの重なり方が変わってきます。

※ 紹介した内耳の反応の話はマウスを使った実験によるもので、人間でも同じ仕組みがそのまま働いているとは確認されていません。気圧と気分の関係を説明する一つの仮説として読んでください。

出典: europepmc.org · https://europepmc.org/article/MED/41444276

※医学的な診断・治療に代わるものではなく、効果には個人差があります。